ロイヤル・オペラ

セビリアの理髪師

The Barber of Seville

  • 【音楽】ジョアキーノ・ロッシーニ
  • 【台本】チェーザレ・ステルビーニ (原作:ボーマルシェによる戯曲「セビーリャの理髪師」)
  • 【指揮】ラファエル・パヤーレ
  • 【演出】モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエ
  • 【美術】クリスティアン・フェヌイヤ
  • 【衣裳】アゴスティーノ・カヴァルカ
  • 【照明】クリストフ・フォレ
  • ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
  • ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(ゲスト・コンサートマスター:ベンジャミン・マーキス・ギルモア)
  • フォルテピアノマーク・パックウッド
  • 【出演】ロジーナ:アイグル・アクメチーナ
    フィガロ:アンドレイ・フィロンチク
    アルマヴィーヴァ伯爵:ローレンス・ブラウンリー
    ドン・バジーリオ:ブリン・ターフェル
    バルトロ:グラント・ドイル(歌)、ファビオ・カピタヌッチ(演技)
    ベルタ:エイリッシュ・タイナン
    アンブロージオ:チャーベル・マター
    隊長:ダヴィッド・キンバーグ
    公証人:アンドリュー・マックネイル
  • 【上映時間】3 時間 33 分

ワクワク、ドキドキ、楽しさに胸おどる!
ロッシーニの傑作をカラフルな舞台と躍動感あふれる演奏で堪能する。

ロッシーニの音楽は、聴いているだけでウキウキしてくるリズムが特徴だ。彼のオペラの中でも、世界中のオペラハウスで上演され続けている最高傑作といえば《セビリアの理髪師》。今回の演出はライザー&コーリエが 2005 年に英国ロイヤル・オペラで手がけ、その後も再演を重ねている人気プロダクションだ。美しい色彩で、面白い仕掛けが一杯の舞台となっている。

演奏も非常に魅力的だ。英国メディアがこぞって絶賛したのがヴェネズエラ出身の指揮者ラファエル・パヤーレ。現在、世界で最も注目されている若手の一人だ。序曲からオーケストラのプレイヤー達の美点を存分に引きだし、疾走感のあるテンポで喝采をあびた。

キャストで一番の注目はロジーナ役のアクメチーナ。まだ二十代ながら、迫力のある低音から高音までむらの無い美声の持ち主で、若々しい感性とチャーミングな容姿でヒロインを演じた。もう一人の若いキャストは理髪師フィガロを歌ったフィロンチク。豊かな声と明るいキャラクターで人気者だ。アルマヴィーヴァ伯爵はロッシーニのエキスパート、ブラウンリー。輝かしい高音と揺るぎないテクニックでさすがの歌唱を披露している。ウェールズ出身の名歌手ターフェルがドン・バジーリオ役に出演しているのも豪華。アリア「陰口はそよ風のように」の不気味さはまさに“怪演”だ。バルトロ役のカピタヌッチは当日に不調が発表され、演技は本人、歌は舞台袖からグラント・ドイルが歌うという、ライブならではのアクシデントがあったが、二人ともプロフェッショナルな出来栄えが見事。

大団円まであっという間の、一瞬たりとも見逃せない舞台になっている。

【STORY】
スペインのセビリア。若い貴族アルマヴィーヴァ伯爵は、マドリッドで見かけた美女ロジーナが忘れられず、彼女を追ってセビリアまで来ている。だがロジーナは後見人である医者バルトロによって家に閉じ込められており、言葉を交わすことさえ難しい。伯爵は彼女の家の前でセレナーデを歌うが反応はなく、がっかりしているところに旧知の理髪師フィガロが通りかかる。フィガロの知恵を借りた伯爵は、兵隊に変装してロジーナの家に潜入する計画を立てる。一方、バルトロもロジーナの財産目当てで彼女との結婚を目論んでおり、音楽教師ドン・バジーリオと一緒に作戦を練るが…。