ロイヤル・オペラ

蝶々夫人

Madama Butterfly

ロイヤル・オペラ

蝶々夫人

Madama Butterfly

アスミク・グリゴリアンの圧倒的な名演に震える!
明治時代の長崎を舞台とした悲劇のオペラ『蝶々夫人』
痛いほど心に刺さる名作を一度は劇場で!

英国ロイヤルが上演するモッシュ・ライザー&パトリス・コーリエによる演出は2003年に初演されたもので、今回が9度目の再演になる。ミニマルで静けさが感じられる舞台美術と美しい色彩の衣裳が効果的な名舞台だ。だが今回の上演における最大のポイントは、現在、世界のトップ歌手として飛ぶ鳥を落とす勢いのソプラノ、アスミク・グリゴリアンが蝶々さん役を演じていることである。グリゴリアンはこの上なく柔軟な声を駆使して、知的なアプローチで役柄を描くことに長けたアーティストで、役が憑依したかと思うほど集中する力がある。ピンカートン役のジョシュア・ゲレーロを初めとする共演者たちにも注目だ。

明治時代の長崎でアメリカ人海軍士官ピンカートンに嫁いだ蝶々さん。だが彼女が結婚だと信じたその結びつきは大きな悲劇をもたらした。イタリア・オペラの最重要作曲家の一人、ジャコモ・プッチーニは今年没後100周年を迎えるが、その事実をことさら思い出す必要もないほど、プッチーニのオペラは聴衆に愛され、上演され続けている。それは彼のオペラが、誰が観ても痛いほど心に刺さるドラマになっているからだろう。《蝶々夫人》にも、ヒロインの日本人女性らしい可憐さと誇り高さが見事に描かれている反面、愛して捨てられた女の哀しみは普遍的な力を持って全ての人の胸に迫ってくる。
まだこの名作オペラを知らない人も、このオペラを愛する人も、必ず大きな発見があるだろう名演を見逃さないようにしてほしい。

PHOTO&MOVIE

STORY

【STORY】
20世紀初頭の日本、アメリカ人の海軍士官ピンカートンは一時滞在していた長崎で、武家の出身だが父親を亡くし芸者をしていた蝶々さんと結婚する。ピンカートンにとっては短い滞在中の現地妻だったが、蝶々さんは真の結婚と信じ、キリスト教に改宗したことによって親戚一同に縁を切られてしまう。やがてピンカートンは長崎を去り、蝶々さんには息子が生まれる。蝶々さんはピンカートンを信じて待ち続けるが、3年経って再び長崎の地を踏んだ彼はアメリカ人の妻ケートを伴っていた…。

【音楽】 ジャコモ・プッチーニ
【台本】 ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
(原作:ジョン・ルーサー・ロングの小説「蝶々夫人」とデヴィッド・ベラスコの戯曲「蝶々夫人」)
【指揮】 ケヴィン・ジョン・エドゥセイ
【演出】 モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエ
【再演演出】 デイジー・エヴァンス
【美術】 クリスティアン・フェヌイヤ
【衣装】 アゴスティーノ・カヴァルカ
【照明】 クリストフ・フォレ
  ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(Tritticoとの契約による首席客演コンサートマスター:ヴァスコ・ヴァッシレフ)
【出演】 B.F.ピンカートン:ジョシュア・ゲレーロ
ゴロー:ヤーチュン・ファン
スズキ:ホンニ・ウー
シャープレス:ラウリ・ヴァサール
蝶々さん:アスミク・グリゴリアン
神官:ロマナス・クドリャショヴァス
書記官:リー・ヒッケンボトム
蝶々さんの母親:エリル・ロイル
ヤクシデ:アンドリュー・オコーナー
叔母:エイミー・キャット
ボンゾ:ジェレミー・ホワイト
ドローレ:クラウディア・フレミング
ヤマドリ公:ヨーゼフ・ジョンミン・アン
ケート・ピンカートン:ヴェーナ・アカマ=マキア
【上映時間:3時間18分】