フィガロの結婚

新たなシーズンは、モーツァルトの傑作オペラ『フィガロの結婚』で開幕！ 旬の若手と実力派キャストが集結！見事なアンサンブルに魅了される！

英国ロイヤルの新たなシーズンの幕開けは、天才モーツァルトが自らの才能を惜しみなく注ぎ込み、まるで交響曲のように作り上げた傑作オペラ『フィガロの結婚』で軽やかにスタートする。本作は、フランス革命が迫った時代に、アルマヴィーヴァ伯爵の使用人フィガロと、伯爵夫人の小間使いスザンナの結婚を巡る一日を描いた物語。登場人物たちのドタバタ劇が楽しめるオペラの名作だ。

英国ロイヤルの『フィガロの結婚』は、2006年に巨匠デイヴィッド・マクヴィカーが演出したプロダクション。時代を尊重した夢のように美しい装置と衣裳へのこだわりをはじめ、伯爵の館で働く人々の日常や主人公たちの言動への反応が丹念に描かれている。マクヴィカーは今回の再演でも自ら演出を手掛け、歌手たちの歌う言葉が常に新鮮に響くように指導している。
キャストは今が旬の若い売れっ子たちが中心となっている。特に注目すべきは、アルマヴィーヴァ伯爵役のヒュー・モンタギュー・レンドール。英国出身で、両親ともにオペラ歌手であるヒュー・モンタギュー・レンドールは、まだ30歳ながら、難易度の高いアリアも危なげなくこなしつつ、わがままだが憎めない若き伯爵を見事に演じている。フィガロ役のルカ・ミケレッティは艶やかな声のバリトンで、日本でもリッカルド・ムーティ指揮の『マクベス』で題名役を歌って評判となった。オペラ歌手になる前は演劇の俳優だったという彼は、舞台での表現力にも優れている。スザンナ役は予定されていたイン・ファンが降板し、昨年英国ロイヤルで同役としてデビューし大評判を得たシボーン・スタッグが抜擢されている。他にも、伯爵夫人役のマリア・ベンクソン、ケルビーノ役のジンジャー・コスタ＝ジャクソンなど、実力と魅力を兼ね備えたキャスト陣にぜひ注目いただきたい。